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FEATURE
ガス・ロペス氏 インタビュー
世界最大規模のコレクターズ・アーカイブ・サイト「The Star Wars Collectors
Archive」を運営し、セレブレーション
ではコレクターズ・パネルを主催するガス・ロペス氏。
そのガス氏がセレブレーション・ジャパン開催から3ヵ月後に再来日した際に、スターウォーズやコレクションに対する
思いを訊いてみた。
− あなたがコレクションを始めた動機はなんでしょう?
ガス・ロペス(以下、G):他のコレクターも同じだと思いますが、子供の頃の思い出をもう一度集め直そうと思ったのがきっかけです。
しかしコレクションを始めて2ヶ月くらいでたいていのアイテムは集まってしまったので、そのあとは他の
コレクターが集めていないものや、存在をあまり知られていないものをコレクションしようと決めました。
− コレクションのテーマはありますか?
G:テーマを一つに絞ることは難しかったのですが、先程もお話したとおり、誰も存在を知らないアイテムを集めることがテーマと言え
ます。そのように聞くと皆さんは、私のコレクションは非常に珍しく高価なものばかりだと思うでしょうが、私にとってはそのよう
な価値は重要ではありません。他のコレクターが見て金額的に価値がないと思うアイテムであっても、その存在が珍しいという観点
に価値を見出して持っているものが多いです。探し出すことが難しいアイテムに挑戦することが私のコレクションだと思っています。
またインターネットや私の地元のコレクター達の集まり、セレブレーションなどでいろんな人や団体と交流したり、今回のように旅
先で各国のコレクター達と直接交流を持つことも私のコレクションの特徴です。
− 所有しているアイテムの数はどれくらいでしょう?
G:だいたい10,000点くらいのアイテムを所有しています。その中でシリアルのパッケージやおまけなどの食品関連のアイテムが
約2,500点、プロップが約200点、トイのプロトタイプが約500点になります。
− その中で一番のお気に入りのアイテムは何ですか?
G:よく訊かれる質問です(笑)。何か一つを選ぶとしたら「新たなる希望」で使用されたデス・スターのプロップです。これはその当
時唯一作られた球体のデス・スターのプロップで、ラルフ・マクォーリーがペイントしたものです。他にもお気に入りのアイテムは
たくさんありますが、スター・ウォーズの歴史の一部であることを考えると、このプロップを選びます。
(画像提供:ガス・ロペス氏)
− 日本のアイテムで気に入っているものはありますか?
G:山勝のプロモーション・ポスターが気に入っています。あとは「シスの復讐」の時のペプシの抽選プレゼントだったR2−D2の自
動販売機と、「新たなる希望」の時にタカラから発売されたXウィングの変形するトイが好きですね。
− 今、探しているアイテムはありますか?
G:いろいろありますが、「ジェダイの帰還」の時に発売する予定だったブロッケード・ランナーのトイのプロトタイプが欲しいですね。
プロップでは「新たなる希望」の時のストームトルーパーのヘルメットが欲しいです。あとは「帝国の逆襲」の時に発売する予定で
お蔵入りになってしまったマイクロコレクションのダゴバ・セットを探しています。写真はあるので存在するはずなのですが、なか
なかたどり着けません。
− 日本の住宅事情ではコレクションの収納が大きな課題となっているのですが、ガスさんは莫大な量のコレクションをどのように保存
しているのですか?
G:以前、アパートに住んでいた時はレンタルルームを4つ借りていました。そしてコレクションを展示、保存する為に今の大きな家を
買ったのです。近所の人にはこんな大きな家に夫婦2人だけで住むのかと驚かれましたが。(笑)その家ではプロップやプロトタイ
プなどのテーマ毎に部屋を割り当てています。また家を買って部屋毎のテーマを決めたことでコレクションの方向性がおのずと絞ら
れてきました。
(画像提供:ガス・ロペス氏)
− コレクションを続ける上で、探しているものが手に入らなかったり、金額的にあきらめなければならなかったりといった壁に当たる
ことがあると思いますが、それらをどのように乗り越えてきましたか?
G:私の場合、手に入れるまであきらめることはないので、そのようなことはありません。(笑)でも例えばプロップをコレクションす
る時に、全てのプロップを集めることは不可能なので、最初から持っていなくても当たり前と思っていれば焦ることはないと思いま
す。
− コレクションにここまで集めれば終わりということはありますか?
G:自分が集めているジャンルに関しては終わりがあるのかもしれません。しかし常に新しいアイテムが登場したり事情は変わってくる
ので、本当の意味でのコレクションの終わりはないと思います。今はコレクションという趣味が下火になっている時期で、手放して
いるコレクターも多いので、これから始める人にはチャンスではないでしょうか。
− 一つのアイテムに支払った最高金額はいくらですか?
G:サンディエゴ・コミコンのオークションでケナーのAウィング・ファイターのオリジナルボックスアートに2万ドル(約200万円)
支払ったのが最高金額です。金額についてはそればかり気にしている人も多いので、普段はあまり口にしません。ロケットファイア
リング・ボバフェットのプロトタイプを購入した時、先程のAウィングのアートと比べると金額は低かったのですが、私はまだ学生
だったのでとても大変だったことを憶えています。コレクションの難易度は金額によるものではなく、相対的なものだと思います。
(画像提供:ガス・ロペス氏)
− プロップやトイのプロトタイプは今から集めることは非常に困難だと思いますが、もし私達が集めるとすればどうすればよいでしょ
うか。
G:私もコレクションをはじめた時は無名のコレクターでした。すでに高名なコレクターが存在する中で、私は自分の集めたいもの、他
の人が気にかけていないジャンルのものをコレクションしていくうちに、周りから「こんなものを集めている人がいる」と次第に声
を掛けられるようになりました。コレクションはコンテストや競い合うというものではないので、これから始める人でも自分の集め
たいものを自分自身の方法で集めていけば、おのずと世界は広がっていくと思います。
− スターウォーズのどこに魅力を感じますか?
G:例えば「新たなる希望」の中でルークが冒険を夢見てタトゥイーンの2つの太陽を眺めるシーンに対して、「ジェダイの帰還」のラ
ストではその冒険の結果、父親であるダース・ベイダーを亡くし、一人葬儀を行うシーンがある。そのような物語の中に描かれてい
るコントラストに魅力を感じます。
− 好きなエピソード、嫌いなエピソードはありますか?
G:嫌いなエピソードはないですね。6つのエピソードのそれぞれに好きなところがあります。例えば「エピソード1」ではライトセイ
バーの対決シーンが他のエピソードに比べて素晴らしかった。「新たなる希望」はそれまでのSF映画に比べると型破りで全てのシ
ーンが面白かったし、「帝国の逆襲」ではスターウォーズの世界観が確立されたと思います。「シスの復讐」はキャラクターの人間
関係がとてもドラマチックに描かれていました。
− 好きなキャラクター、嫌いなキャラクターはありますか?
G:好きなキャラクターはいろいろいますが、強いていうならばルークが物語の中で次第に成長し変化していく様子が面白かったですね。
嫌いなキャラクターというかシーンは、ジャバ宮殿でのミュージックシーンで、〈特別篇〉で追加されたダンサーやバンドのキャラ
クターはオリジナルの持っていた雰囲気を壊してしまったことが残念です。
− 新シリーズの「クローンウォーズ」についての印象はどうでしょう?
G:映画も良かったですが、TVシリーズになって1話の時間が30分と短くなったことで、ストーリーがより引き締まって面白くなっ
たと思います。
− 日本のスターウォーズファンについてどう思いますか?
G:日本は世界的に見てもトップクラスの規模のファン・コミュニティが確立されていると思います。セレブレーション・ジャパンに参
加して、映画自体のファン、コレクター、コスプレイヤーなどの様々なファン層のレベルが同じように高いと感じました。日本は文
化的、地理的にも非常に興味深いし、人々も親切なので、これからも訪れる機会を増やしたいと思っています。
− 最後に日本のスターウォーズ・ファンにメッセージをお願いします。
G:セレブレーション・ジャパンは皆さんのおかげでとても楽しいものになりました。またこのような機会があることをとても楽しみに
しています。